今日も元気よ!カタカムナKATAKAMUNA ANIME PROJECT

あの日に出会った
不思議は、
今でも思い出せる
から。

超自然科学部の日常 / 目次

WEB NOVEL / 第2話 後編

超古代文明 カタカムナ

06

カタカムナについて、初心者に分かりやすく説明するなら『神戸に存在した超古代文明』といったところだね。

では、そもそも古代文明にはどんなものがあるか分かるかな?

多分、中学社会で習う世界四大文明は知っているよね。 エジプト文明、メソポタミア文明、インダス文明、黄河文明。

じゃあ、これらの文明はいつ頃の文明だったかは覚えているかい? 正解は紀元前2,000~4,000年。つまり、4,000~6,000年前だ。

この中で一番古いのがメソポタミア文明。人類最古の英雄であるギルガメッシュはメソポタミア文明の王様だね。

6,000年前というと大昔という印象かもしれない。 けど、ホモ・サピエンスが生まれてからの歴史を考えるとどうだろう?

ホモ・サピエンスは20~30万年前に誕生したとされているから、6,000年というのは比較的最近のことなんだ。 これらの文明ができるまで、人類は数十万年にも渡って狩猟採集生活をしていたことを考えると、現代社会の異常がよく分かるね。

ただ、ここで一つの疑問が生まれる。 何がきっかけで人類の文明は急激に進歩したのか? それを探るために、まずはターニングポイントとなる年代を確認したい。

そこで、四大文明より古い建造物に目を向けてみよう。「世界最古の神殿」とも呼ばれる遺跡が何か知っているかな?

それは、トルコに現存するギョベクリ・テペだ。

これは、およそ12,000年前に築かれ始めた遺跡で、儀式に関係する施設だったと考えられている。ピラミッドより数千年も昔に、巨大な石柱を使った建物があったんだ。狩猟採集の暮らしをしていた人々が、どうやってこれだけの建物を築いたのか。考えるだけでも面白いだろう?

実は、この12,000年前というのが大きなキーワードになるんだけど、12,000年と聞いて思い当たるものはあるかな?

そう、カタカムナ文明も12,000年前に存在したと言われているんだ。

更にはアトランティスやムー大陸まで、都市伝説で有名な「超古代文明」が揃って顔を出すのが、この12,000年前なんだ。

これらの超古代文明は科学的には認められていないが、実在したと考える方が辻褄が合うことが多いんだ。だけど、存在した証拠がない以上、それに連なる言説は全て仮説に過ぎない。だから、僕も僕なりのカタカムナに関する解釈を持っている。

ここからは僕の考えるカタカムナ文明について話をしていくんだけど、幸いにも、カタカムナを独自に研究している人は多い。まずは、その研究者たちの間で広く共有されている、文献発見の経緯から説明を始めようと思う。

07

まずは、カタカムナの全ては一人の人物からはじまったんだ。

「楢崎皐月」

楢崎は物理学者で、1949年に星製薬という会社からの資金援助を受けて「重畳波研究所」という研究室を設立した。

そして、六甲山系の金鳥山付近で2ヶ月間にわたる大地電気測定の研究を行っていた。

この時は六甲山だけを調べていたわけじゃない。 日本中で地中の電磁波の調査をしていたから、六甲山は調査エリアの一部に過ぎなかったんだよね。

だけど、調査中に山の中である人物と出会ったことで、カタカムナが広まるようになる。 その人物は、猟師の姿をしており「平十字」と名乗った。

楢崎は、平十字から調査用に地面に設置した機材についての苦情を受けた。

苦情の内容は「山に住む生き物たちが、測定器のためにこのあたりを通れない」という奇妙な理由だったんだ。

しかし、楢崎はこの奇妙な苦情に素直に応じ、直ちに機器を取りはずした。 すると、平十字は感謝を示し、お礼の代わりに平十字の父親が宮司をしていた神社のご神体である巻物を見せたという。

そこに記された文字は、線と丸の組み合わせで螺旋状に配置されていた。 これが今に伝わるカタカムナ文献だ。

また、平十字は太古の大昔にこの六甲山系の金鳥山では文字と高度な文明を持った種族がいたことを伝えた。

この言葉に楢崎はピンときたことがあった。

楢崎は、戦争中に製鉄技術に携わる軍属として満州へ渡った際、蘆有三という中国の僧侶から話を聞いたという。「日本には超古代に宇宙の真理を解明し現代の文明よりも高度の文明を持っていた種族がいた」という話だ。それを思い出し、このカタカムナ文献こそが、その文明があった証拠だと思ったんだ。

この彼の直感がなければ、カタカムナ文献は闇の中のままであったであろうね。楢崎はカタカムナ文献の書写をお願いし、それが許されて写しを持ち帰ることになる。

その後、楢崎は20年ほどカタカムナの研究に打ち込み、「カタカムナ ウタヒ80首」の解読に挑むんだ。

そして、古事記の上巻に出てくる御神名との関連に気づき、カタカムナ文字の読み方の解読に成功。

以降、楢崎の読解した内容をもとに多くの研究者がカタカムナの更なる研究に臨んでいるが、ここからは解釈が大きく分かれるところになっている。

ネットでカタカムナについて調べると色々な情報が出てくるから、初見ではそれらを理解することは難しい。

それに、僕は各研究者の意見が正しいのかを判断する術を持たない。だけど、現代科学の知識を誤用するようなものは肯定すべきではないと思う。

例えば、科学でも「波動」や「量子テレポーテーション」という言葉は使われている。ただ、量子テレポーテーションは量子の状態を転送するもので、人や物がそのまま瞬間移動する技術ではないんだ。同じように、「観測すると量子の振る舞いが変わる」という話から、「量子には意思がある」と結論付けるのも飛躍がある。

量子の観測では、測定器などを通じて対象と物理的に相互作用し、その状態についての情報を取り出している。例えば光を使った測定なら、光と対象との相互作用がある。その過程で状態が変わることはあっても、量子が「見られている」と意識して振る舞いを変えた証拠にはならないんだ。

だからと言って、現代科学で説明できないから間違っているというのも、正しい姿勢ではないと思うんだ。

考えるべきは、まだ世界で見つかっていない「知られざる事実」が存在するのではないかということ。現代科学では説明できないことに仮説を提示することが、本来の研究だと僕は信じている。

話が逸れてしまったね。カタカムナの話に戻ろう。

08

僕がここで取り上げたいのは、12,000年前を超古代文明の滅亡や転換点とみなす説だ。カタカムナについても、その年代を手掛かりに考えてみたい。

つまり、この説では、数万年前に超古代文明が発生し、12,000年前に滅んでから、今の文明に繋がっているということだよね。それぞれの超古代文明がどう関わっていたのかは分からないけど、全くの無関係だったとは考えにくい。ただ、今回はカタカムナ文明に絞って考えてみたいと思う。

まずは考古学的に見た日本の12,000年前を考えてみよう。その時代は何時代か分かるかな?

そう、縄文時代だ。縄文時代は、約1万6000年前から約2300年前まで、日本列島で約1万年以上続いた時代とされている。つまり、ちょうどカタカムナ文明が滅んだ12,000年前を縄文時代が跨いでいるんだ。

ここで、僕は一つの仮説を立ててみた。

カタカムナ文明は滅んだのではなく、現代の日本文明へと徐々に姿を変えていったのではないか?

ただ、これだけだと古代日本をカタカムナ文明と呼んでいるだけになってしまう。思い出して欲しいのは「超古代に宇宙の真理を解明し現代の文明よりも高度の文明を持っていた種族がいた」という口伝だ。

当然、現代よりも高度な文明が徐々に後退していくというのは考えにくい。 だから、更に次の仮説を立ててみた。

12,000年前まで、別の「超高度文明」が日本文明に手を貸していたのではないか?

いや、日本文明だけじゃない。アトランティスもムー大陸も、当時存在した多くの文明は超高度文明の手助けによって急速に発展した。それなら、同時期に超古代文明が存在したことが説明できる。そして、その援助が一斉になくなったことで、各文明で崩壊や吸収が起こったんだ。

では、その手助けをした「超高度文明」の存在は何か?

現代科学を超えるような技術を持つ文明など、考えられるものは一つ。地球外生命体だ。

つまり、この世界は数万年前に「超高度な知的生命体からの干渉」があった可能性が高い。そして、この地球外生命体を知ることができるのがカタカムナ文献だと、僕は考えている。

なぜ日本にあったカタカムナ文明が重要かと言えば、海に隔てられたこの列島で、長いあいだ独自の文化が育まれてきたからだ。外からの影響が限られていた時期が長いなら、それだけ古い文化の痕跡も残りやすかったと考えられる。少し詳しく説明するよ。

日本列島に人類がやってきたのは、約4万年前。氷河期に大陸から渡ってきたんだ。その後、海に隔てられた列島では、縄文の人々が一万年以上も独自の文化を育んでいた。

今の本土日本人にも、縄文人由来のDNAが一割から二割ほど残っている。渡来した人々と混じり合っても、昔の文化まで消えたわけじゃない。縄文の名残は、今も僕たちの中にあるんだ。

ムーやアトランティスは滅んだ。けれど日本には、12,000年前から続く人々と文化が残った。だからこそ、異星人の教えも受け継がれ、カタカムナ文献が守られてきたのではないか。

ここまで話をして「カタカムナ」とは何であったのか、おおよそ分かったんじゃないかな?

カタカムナとは、本来的には地球外生命体が築いた超高度文明であり、数万年前に人類に英知を授けた存在。彼らは言うなれば「カタカムナ人」だ。 つまり、神戸に存在したとされる「カタカムナ文明」は、カタカムナ人の援助により繁栄した古代日本文明と考えられる。

そして、12,000年前。カタカムナ人は何らかの理由で人類への関与を止めたのだと思う。その結果、古代日本文明はカタカムナ文化を残しながらも、徐々に現代の日本文明へと落ち着いていったんだ。

ここからは、カタカムナ人が僕たち日本人に残したものについて読み解いていくよ。

09

カタカムナ人は、星を渡れるほどの技術力を持っていたのだから、純粋に科学技術が進んでいたのだろう。

その科学水準がどれほどかは分からないが、最低でも恒星間移動ができるということは、人類よりも数千から数万年は進んでいると考えるのが妥当だ。 だから、科学技術レベルを考えても得られるものは少ないと思う。

それよりも考えるべきは、彼らが僕たちに何を残したかだ。 彼らの残したものは、僕たち日本人の中に特徴的なものとして残っているはず。

実は、日本人には世界的に類を見ない特徴があるんだけど、皆は分かるかな?

それは、言語と宗教なんだ。

日本語の遠い起源は、今も謎のままだ。僕は、日本語にカタカムナの言葉が残っていると考えている。だからこそ、日本人の楢崎には、あの文字を読み解けたんだ。

カタカムナ文献に載っている「カタカムナ文字」や「80首のウタヒ」については、専門的になってしまうから割愛させてもらう。詳しくは、僕が運営するサイトにまとめているから、ぜひ読んでほしい。

だけど、カタカムナ文字の特徴についてだけは触れさせてほしい。その特徴というのは、カタカムナ文字は50音に対応していて、各文字には単体で意味があるということなんだ。

音に意味があって、これを繋いで言葉になる。つまり、言葉には「音そのもの」で意味があるということ。

実際、古代日本では言葉の霊力を信じる文化があった。奈良時代の『万葉集』では、日本を「言霊の幸はう国(ことだまのさきわうくに=言葉の力で幸福がもたらされる国)」と表現していたんだ。

これは非常に面白い知見だ。なぜなら、現代科学よりも遙かに進んだ文明が、わざわざ言霊を伝えているのだからね。

カタカムナ人が「宇宙の真理を解明した種族」と言われるなら、現代科学が説明できない超常現象も技術として扱えたのかもしれない。もしそうなら、言霊などの未知の力もその一つなのではないか?

ただ、ここは仮説としてもまだまだ弱くて、ほとんど僕の妄想に過ぎない。けれど、超常現象を追うことで未知のエネルギーを解明する手掛かりになると僕は考えているんだ。

瞬間移動や神隠しも、この未知のエネルギーによって空間が歪んで起こった可能性はある。まあ、仮説とも呼べないくらいの可能性の話ではあるけどね。

次に、もう一つの特徴である宗教についてはどうだろう?

日本は無宗教だと言われるけど、これは実は正しくない。 確かに、色々な国の文化を取り入れているけど、ベースになっているものがある。

それは神道だ。神道と言われると若い子にはピンとこないと思うけど、神社と言われれば非常に身近だと思う。普通に暮らしていても、一年に一度くらいは参拝するんじゃないかな?

実は、神社は小さな祠まで含めれば全国で20万社以上も存在するんだ。各社では神様が祀られていて、日本神話に出てくる神様も祀られているから、神社に行った時は由緒書きをぜひ見てみて欲しい。

カタカムナについても、文献は神社に奉納されていたよね。この神社はカタカムナ神社と呼ばれているけど、金鳥山の麓にあったことから現在の保久良神社がカタカムナ神社なのではと言われているんだ。

長い話になったけど、実は神社というのが藤森さんの知りたいワープにも関係してくるんだ。

神社というのは昔から神隠しの多い場所と言われている。御影も古くから神隠しの噂が多いから、調べるなら神社を起点にするのが良いだろう。

そして、神社の起源はカタカムナにある可能性が高い。

つまりだ―—

10

香取先生は、摩耶に向かって人差し指を突きつけた。

「藤森さん。カタカムナ文明を調べることは、君が研究したい瞬間移動を解明する糸口になるかもしれない」 「正直…今までの調査とは別の視点が必要なのかもしれないとは思っていたんです」 「ああ。一緒にカタカムナを解き明かしていこう」 「いや、それだと趣旨がカタカムナの解明になってるから」

凛音が呆れた声を出したが、摩耶の耳にはほとんど届いていなかった。

六甲山に存在した超古代文明。地球外生命体の残した叡智。 普通に考えれば可能性は薄いが、摩耶には小さな予感があった。

「カタカムナについて調べてみます」

香取先生は目を見開いた。そして、すぐに満面の笑みを浮かべる。

「そうか! 分かってくれたか、藤森さん!」

香取先生は勢いよく立ち上がり、本棚へ向かった。 そこから分厚いファイルを何冊も抜き出し、摩耶の前へ積み上げていく。 一冊、二冊、三冊。まだ増える。

「先生、それ全部読ませる気ですか?」 「当然だ。まずは基礎理論から始めよう。その後にウタヒの構造、生命発生論、潜象物理、六甲山の地質と磁場——」 「入門の量じゃないですよね」 「安心してほしい。これは僕が初心者向けにまとめた資料だ」

凛音が一番上のファイルを手に取り、表紙を確認する。

そこには手書きで、『カタカムナ文明入門・第一部』と記されていた。

「先生、これ、自作資料じゃないですか」 「既存の入門書には誤解が多いからね」

香取先生は、当然のことのように答えた。

摩耶は、自分の目の前に積み上げられた資料を見つめる。 そして、こう思うのだ。

- この部活は、顧問も相当な変わり者らしい